【操体法とは?】
- 2014年12月04日
- ブログ
札幌市西区西野にある「こころカイロプラクティック」は、
カイロプラクティックの科学性と、
操体法が伝える自然の法則に基づいた技を受け継いだ施術院です。
時々「なぜカイロプラクティックと操体法の両方をしているのですか?」
と聞かれますが、それは深いところで哲学が一緒だからです。
伝えたいことも出したい結果も同じであり、表現の仕方が違うだけだと思っています。
今回は「操体法」をテーマにしていますので、
「操体法とは何か?」ということを私の理解の範囲でお伝えします。
北海道とも縁のある仙台の医師、(故)橋本敬三先生(1897~1993)が、西洋医学でなかなか良くならない患者さんが民間療法で改善するのをみて、何かあるのではないかと思い、整体術など様々な民間療法を学びました。
そしてそれらを臨床の中で実践、探究を重ねてまとめあげた治療法、健康法が操体法であり、それは同時に「快適に満足して充分に生きてゆく」ための道しるべでもあります。
【実際に行うこととその哲学】
実際に行うことは、
人間が生まれながらにして持っている原始感覚(快・不快の感覚)を
確かめながら、楽な方、気持ちの良い方へ動き、味わってもらうことによって、
体の歪みを整え、バランスをとっていくということです。
ここに操体法の原理があり、橋本先生も
「人間の身体はもともとよくできているものです。
それが歪むことによって不健康になっているわけですから、
その歪みを治してやれば、健康になるのです。
ゆがみを治すには苦しいほう、痛い方に動かすのではなく、
楽な気持ちのよい方向に動かせばよいのです。
これが操体法の原理であり、健康の原理です」
と述べています。
ただどんな動きがいいのか、どこでつり合いが取れると気持ちがいいのかは、
その人にしか分からない感覚なので、施術者は受けての方にどう動けばいいか、
どこで気持ちがいいのかをお聞きしながら、体が整うようなお手伝いをしていきます。
この様な事をしていきますので、
形はありませんし、「治す」という感じでもありません。
症状のあるところを悪いものとして扱い、
そこを何とかしよう(コントロール)とする、対処療法のようなものでもありません。
「治す」世界からは完全に離れたところにいます。
だからといって、治らないというわけではありません。
「治そうとしない」、「治せない」というところに立つからこそ、
根本的なところに働きかけることができるのです。
(これは本来のカイロプラクティックでも同じだと思います)
これを私の操体法の師匠である今 昭宏先生は、
「操体法はホドコシにあらず、ハカライなり」と表現されました。
本当にその通りだと思います。
「私の医者のなりがけの若い時は、病気をなんとか治したいの一心だったが、だんだんそんなことは下の下だと思うようになった。
医者が治してやるのではなく、生命体の成立の哲学にふれ、大自然を畏敬し、恭順すべきことがはっきりした。」
とおっしゃっていますし、
そもそもその前提、哲学として、
「人間というのは、もともと設計にミスがなくバランスがとれて、病気などせず健康に一生を送れるようになっています。」
それが大哲学なわけです。
不健康というのはそのバランスがくずれることです。
それには何か原因があり、
自然の法則や体のしくみにそぐわない間違ったことをするからです。」
とも述べています。
何となく操体法というものがわかって頂けたでしょうか?
何となくでいいのですが、
実はこの何となくというのも操体法では大切な考え方の一つです。
【60点でマにあえばいい】
先に操体とは、橋本敬三先生がまとめた
「快適に満足して充分に生きてゆくための道しるべ」と書きましたが、
決して完璧な心身の状態(100点)を目指したものではありませんでした。
「60点でマにあえばいい」とよくおっしゃっていたそうです。
人は、ある許容範囲のバランスの中にいれば
なんとなく快適に生きて行けるようになっていますので、
それで充分だという言うことだと私は理解しています。
「完璧、100点」については私の別な分野の先生もよく言っていますが、
「完璧ほど低い基準はない、なぜなら決して達成されないものだから、0%に等しい」
と言っています。
もし施術においても完璧さを求めてしまうと、
お互いが苦しくなるし、「治す」、「治される」のようなおかしな関係にもなり、
それは焦りや不安、不信等の感情を生みます。
そしてそれを解消しようとして頑張りすぎて、欲張り、威張り
しまいには生きて行くための最も大切な【感覚】を鈍くしてしまうことになります。
その状態では自然治癒力が上手く機能するとはとても思えません。
人の体が上手く機能する前提には安全、安心、信頼などの感情が必要です。
そうして初めて感覚が開け、楽な方、気持ちの良い方へ動きだし、
その感覚を味わい、健康になるのだと思います。
ですので、「60点でマにあえばいい」というのは、
本当に大切な考えだと思いますし、
私がこの施術法を好きになった理由の一つでもあります。
操体法は自然治癒力、自然の法則に寄り添うものですので、
本当にいろいろな可能性を秘めています。
以下に私の臨床例の一部もリンクしておきますので、
ご興味があれば見て下さい。
【操体法】お尻から太ももの裏にかけてしびれと痛みが出る方の症例です。
【操体法】肩こり、不眠などの体調不良で悩み、気持ちよさを味わいたいという方の症例です。
【最後に】
最後に後世の多くの治療家や不調で悩める方の救いとなっている
操体法の創始者である、橋本敬三先生の略歴を紹介させて頂きます。
橋本敬三(はしもと けいぞう)先生
・1897年(明治30年) 福島に生まれる。
・1921年(大正10年) 新潟医専を卒業し、
・1923年(大正12年) 東北帝大医学部・藤田俊彦教授のもとで生理学を専攻する。
「函館時代」
・1926年(大正15年)函館の民間病院に赴任し、
・1929年(昭和4年) 同市に新しく開設された民間病院に移り、外科を担当した。
・1933年(昭和8年) 独立して函館に診療所を開設する。
・1937年(昭和12年)第1次応召。
・1941年(昭和16年)函館を引き払う。
※函館在住の期間に、正體術を高橋迪雄の高弟・奥村隆則に学び、
これが操体法の土台となる。
「仙台時代」
・1941年(昭和16年)仙台に移転し、温古堂診療所開業。
・1944年(昭和19年)再び応召、ソ連に抑留される。
・1948年(昭和23年) 帰国後、仙台で操体法の研究を深めた。
・1949年(昭和24年)から1973年(昭和48年)まで
仙台の赤門学志院東北高等鍼灸整復学校で講義を担当する。
・1975年(昭和50年) 頃から操体法がマスコミで知られるようになった。
・1993年(平成5年) 老衰のため死去。
「wikipedia、仙台やすらぎの杜整体院、 仙台操体医学院 参照」
世代を超えて本当に多くの人の救いとなっている操体法を世に残して下さったこと、
そして素晴らしい多くの弟子を輩出して下さったことに深く感謝致します。
愛と感謝を込めて!
こころカイロプラクティック
遠藤 晃央
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